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「はい、では委員会会議を始めます」
放課後。早速環境委員の集まりがあった。周りの子たちは知らない子ばかりだった。この委員会を通して仲良くなれるチャンスかもしれない。
「美優はなんでこの委員になったの?」
「じゃんけんで負けたの。もう絶対やりたくなかったのに」
「私もくじで当たってしまって。本当マジで災難だわ」
お互いにはぁとため息をつく二人。
私も! 私もやりたくなかったのに、勝手に押し付けられてやるはめになって、今ここにいるの!
そう言おうとしても、さっきみたいに、のどからひゅっと息がもれるだけ。もうすでに仲良しの人たちの中に割り込むのは、空気が読めない感じがして、できない。
「主な仕事は、朝の草むしりと花壇の水やり。部活の朝練がある人は朝練の前に来てからやること。まぁ二十分くらいしかかからないし、学年別の当番だからみんなでやればすぐ終わる。それと、月末にはゴミステーションの整備。ゴキブリ退治があるから、よろしく」
「げー。やっぱりめっちゃ大変そーじゃん」
「やりたくないね」
ほんとそれな。やりたくない。
私も心の中で何度もうなずく。
「じゃあ早速当番について。週替わりで、一年生、二年生、三年生がそれぞれやるということだけど。どの学年からする?」
どの学年から……。別にどの順番になっても、仕事をすることには変わりはない。でも、みんな黙り込んでいる。
「うーん。じゃあ、もう普通に一年生、二年生、三年生の順で回す。それでいい?」
「……はい」
ちらほらと力のない返事がする。
「じゃあ、そういうことで。明日から一年生、よろしく」
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