怪甲の異名

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 程なくして救急車のサイレンが聞こえてきた。  誘導のため通りまで出て、居合わせた隊員に事情を説明する。  折坂は近くの病院に搬送され、俺と水原も同行した。  救急車内で今日の出来事を思い返す。  折坂の人間離れした力。宿り身の女子高生。折坂が手に入れていた宿り身の情報。  何より折坂が見せた宿り身に対する執着。あの表情。  絡まった思考は浜風に拐われる事なく、救急車のサイレンと共に頭の中で繰り返し巡っていた。
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