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怪しい講義が行われているのは『鈑陵(はんりょう)高校』部室棟裏のプレハブ小屋。
鈑陵高校SF研究会、通称S研の部室であり、俺はひょんなことからこの部活に籍を置いている。
鈑陵高校は中央都東部の西側に位置する普通科の高校だ。
都会の近くに位置しながら比較的閑静な小高い丘の上に門を構えている。
歴史ある伝統高であり、部活動も多彩。偏差値も50そこらという、どこにでもある普通の高校だ。
指定の制服は男子が学ランで女子がブレザー。しかし、生真面目に着用する生徒は半数にも満たない。
現に俺も半袖のワイシャツと黒のスラックスという格好で学ランは着用してしていない。
たまにセーラー服の生徒も見かけるがお咎めはないらしい。校則の規制力の無さに不安を覚えるが、その自由さが鈑陵高校の良いところなのかもしれない。
SF研究会の部室には俺以外にもう1人の生徒がいた。
顎に手をあててふむと考え込む目の前にいる女子生徒はブレザーではなく黒のスクールベスト、学校指定の赤いリボンに灰色のスカートと至って模範的な格好をしている。
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