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3人で寄り集まり完全に囲まれる。この状態を待っていた。
地面に手をつき、一気に魔力を込める。
展開したのは剣山のように攻撃性を有しながら、進撃を食い止める氷の壁。俺を中心に円状にそそり立つ。
念の為二重構造にし、俺はぽっかり空いた上部へ目を向ける。
氷壁の目的は防御に徹する事ではない。時間が経てば破られるだろうし、体を休ませるにもイタチごっこになりかねない。
氷を踏み台にし次々に飛び越え、上空へと躍り出る。
上から俯瞰してみれば戦況が明らかになる。
氷壁を取り囲む式神の規模は思ったよりも小さい。せいぜい150から200くらい。何万もの軍勢に周囲が塗り潰されている訳ではない。
予想通り、倒される度に式神をこの場で呼び出し駒を補充する方式だ。
言ってしまうだけなら簡単だけど、式神を呼び出す側はどうだろうか。俺達が対処し続けるならば3桁から4桁は覚悟しなければならない。
遠隔操作でも召喚出来なくはないだろうけど、負担が増える。ならばこの近辺に隠れているか。
しかしそれらしき影も魔力の発生源も感知出来ない。
ならば、式神の群れに紛れるのが1番手っ取り早い。
問題はどうやって炙り出すか。
運良く、式神の行動パターンは単純だ。音、動きに反応しひたすらに標的に襲い掛かる。
圧倒的数による制圧。そこに複雑な思考を入れ込む余地は無かったと見た。
注意を惹きつけるべく、俺は大声で叫んだ。
「おら!ボンクラども!こっち見ろ!」
ダメ押しとして左手を掲げ、氷塊をぶつけ合い派手に音を鳴らす。ここから攻撃を仕掛けると言わんばかりに。
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