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研究所の捜査に入ってからだいぶ時間が経過した。そろそろ空が白み始める頃だろう。
部屋を出る前に鏡に肘で右腕を小突かれた。
「痛っ」
何だよと訊く前に何事も無かったかのようにスタスタと先に言ってしまう。
行動の意図は話さない。おそらくはさっきの言葉の念押しだろう。
はいはい、分かってますっての。
転移術も使用した式神も高水準のレベルだった。適当に臨めば痛い思いをするのは想像に難くない。
油断大敵ってとこか。
腕をさすりながら、俺は静かに気を引き締めた。
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