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男達はここの職員でも警備員でもない。
彼らは非合法な手段を生業にしている裏稼業のエキスパートだ。
人命を奪うことにさえ躊躇いは無い。法の目も届かぬ場所で雇い主の命令を確実に遂行し、報酬を得ている。
彼らは雇い主の顔を知らない場合も少なくなかった。
仲介人を通せばどんな仕事でも引き受ける。人としての礼儀よりも金払いの良さに彼らは重きを置いていた。
今回の雇い主はこの研究所にある資料を手に入れるよう命じてきた。
日本という小さな島国。昨今の技術開発を狙った各国のいざこざを経て、ようやく軍事武力に力を注ぎ始めた平和ボケした国と言う印象だった。
楽な仕事だと思っていた。しかし、いくつか誤算が生じていた。
警備が手薄な深夜に狙いを定めていたが、防護システムが思いの外早く作動したのだ。
関係者か騒ぎに駆け付けた警備員か、思いもよらぬ対応の迅速さにプランの変更を余儀なくされた。
同行していた仲間が足止めに残り、地下で戦闘を繰り広げている。
いや、あれを仲間とは呼べるかは定かではない。
同じ仲介人から紹介された今回限りの協力者。名前も素性も一切知らされてはいなかった。
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