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深夜の騒動から一夜明け、俺と水原は折坂が入院する病院へ再度足を運んでいた。
午前中で授業を早退し今は午後2時過ぎ。午後の受付が始まり診察を待つ患者が椅子を埋めている。
入院見舞いの手続きを済ませ、折坂の病室へと向かう。
清潔な空間、そして漂う消毒液の匂い。病院の独特な雰囲気が俺はあまり好きではない。どうしても過去に患った怪我や病気が関連付けられてしまう。
「涼子先生からなんだけど、授業が終わった後担任の先生も見舞いに来るみたいだから早目に帰った方がいいって」
横を歩く水原が見上げて言った。
「俺達が関わってる事隠すためか。一緒にいたって知られても別にいいんだけどな」
「念の為だって。ただの喧嘩ならまだしも、入院ともなると色々大変って言ってたよ」
ひと昔前なら喧嘩の入院なんて大事になりそうだけど、荒れたこの御時世ならば厳重注意くらいで済むだろう。昨年のクラスメートも同じ道を辿って武勇伝として語っていたくらいだ。
ふと会話の端から言伝を思い出した。
「七瀬も見舞いに来るってさ。適当に抜けて来るらしい」
「みたいだね。私にも連絡来てたよ」
七瀬のやつ水原にも送ってたのか。メールには伝えて欲しいとあったのに。にしても俺の周りには授業をふけるのが多いな。
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