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「こちらEの27。目標はひとまず制圧。例のブツも奪還済みです」
周囲に人気が無くなったことを確認し、事後の報告を始める人影。
「後片付けはそっちで……って、はぁ!?しばらく待機って、今何時だと思ってんだよ……」
2、3言い争いをしたが抗議の声は聞き入れてもらえず、次第に肩を落としていく。
「はいはい、わかりましたよ。もう帰りたいんで、とりあえず大至急で」
通話が切れた携帯を忌々しそうに一瞥し、ポケットに仕舞い込む。
緊張の糸が緩み、壁に背を預けてそのまま座り込んだ。
その手には気を失った隊長から抜き取った研究所の資料が握られている。
厚さ2センチはあろう資料の表紙には『人に眠る未知の力』と、いささか勢いのあるタイトルが記されていた。
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