22人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
3密という言葉に苦笑する
いつの頃からか酒はやめた
仕事のない時間と休日は
一人で過ごすことが安らぎ
黙々と自然の奥へ入り込む
山に登り蝶と戯れ深呼吸
乾いた自我を清流に浸し
紺碧の空の光を照り返す
絵具箱のどの色も愛おしく
決して混ぜ合わせたくない
筆先にすくい上げた一色を
真っ白なキャンバスに置く
古く色褪せた楽譜をめくり
静かにピアノの鍵盤をたたく
誰かに聞かせるためじゃない
僕自身の胸に音を落とし込む
物語も自分自身の記録だと
初めは 思っていたから
『裏路地~』は 自分の心の淀を
掻き出すための大掃除だった
最初のコメントを投稿しよう!