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 何度も何度も謝る僕の肩を叩いて、笑いながら浅生さんは慰めてくれた。その様子を見ていた店員さんまで、新しく用意したジェラートを何も言わずにそっと差し出してくれた。  こんなに情けないことが、あるだろうか。  地の底まで届いてしまうんじゃないかと思うくらいまたも落ち込んでしまった僕を励ますかのように、浅生さんはラーメンの時同様、ジェラートも美味しい美味しいとにこにこしながら頬張った。  その笑顔の裏で気を遣わせているんじゃないか、無理をさせているんじゃないか、と考え始めると、僕はもう今日という日をどう挽回していいのか分からなくなってしまった。
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