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「僕が雨男で、浅生さんが晴れ女、とか」
人間性的な意味で、そのほうが何となくしっくり来る気がした。
けれど浅生さんは「あのね、私は晴れ女じゃないの」と、何か含みを持たせるような言い方できっぱり否定した。何だろう、不敵な笑みまで浮かべているように見えるのは気のせいだろうか。
これから何か大事なことを言う、そんな予兆を僕は浅生さんから感じ取った。
ある意味分かりやすい部分もある人なのかもしれない。
僕の予想は的中した。けれど、
「先に言っちゃうと、私、虹女なんだ」
聞いたことのないワードが、浅生さんの口からは飛び出した。だから一瞬反応に困った。
「…えっと、にじおんな?」
「そう、虹女」
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