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「…仮にたまたまだとしても、でも運が良いことに変わりはないんじゃないかな。特に今日の僕からしたら、強運の持ち主が本当に羨ましくなるよ」
ただ、記憶を辿っていけば、僕がついてないのは今日に限った話ではないのかもしれない。
大事な場面で上手くいかなったり、空回りしたりすることがこれまでも多々あった。もはや僕の運の無さは、デフォルトなのだろうか。
そんなことに気付いてしまったら、益々身体から力が抜けてしまう。僕が何をどう足掻いた所で、それに意味はないということだ。
と、一度走り始めたら止まらなくなる僕の負の思考回路。
けれどその環を二周半くらいしたところで「そう、それなんだけどね。ちょっと逆転の発想をしてみてほしいの」という浅生さんの言葉が阻んできた。
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