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   黒に近い灰に覆われた空を見つめながら、その目に光を(たた)えている浅生さんは、やっぱり少し変わった所があると思う。  僕が変だから浅生さんも変とか、そういう類は友を呼ぶ的な意味合いでは決してない。浅生さんと僕を同じカテゴリーに入れてしまうのはあまりにもおこがましすぎる。  浅生さんは僕よりもずっときちんとしているし、清潔感があるし、何と言うか、無駄がない人だ。  ぱっと目立つようなタイプとはまた少し違うけれど、花に例えるなら、直感的に思い浮かぶのは、すみれだった。  小さい花だけれど、それでも力強く、凛と咲いている。綺麗で、でもどこか親近感もあって。
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