架かれ光の孤

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　そもそも今日のメインイベントは何だったのかと言うと、映画を観に行くことだった。

　それは最近公開したばかりの映画で、ひょんなことから、お互いその作品が気になっていたことが判明した。

　僕にしてはあまりにも珍しく、会話の流れで「…一緒に行く？」と言った。何故だかこの時は、すんなり言えてしまった。もしかしたら、この時に僕は一生分の運を使い果たしてしまったのだろうか。

　食堂で向かい合い、僕は汁なし冷やし担々麺、浅生さんはカツカレーを食べている時のことだった。

　浅生さんは僕の誘いに対して、大きなカツをもぐもぐさせながら、きゅっと口角を上げて頷いてくれた。