甘いだけじゃない、イチゴ

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「……これ?」 「目なんかそっくりだって」 「わー! 違うっ! 俺が言ってるのは童謡のアイアイでっ」 「似てないっ!」 「ぶっ!!」  それは見事なプロ顔負けのアッパーが、桐谷君の顎に炸裂しました。  そしてドスドスと更衣室に歩いていく苺。 「うーん、苺はボクサーの素質もあると思わない? 桐谷」  その後ろ姿を見守りながら、圭樹は嬉しそうにそう褒めるが、桐谷は床に崩れ落ちる。 「支倉ぁ……、ハメた、な……?」  そんな桐谷の遺言は、完全スルーで部活の時間は終わりを告げた。  彼女の名前は五十鈴川苺、学園で知らないものはいない運動神経抜群でどんなスポーツもこなしてしまうワンダーウーマンなのです。
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