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「苺の名字、五十鈴川でしょ?」
「だな」
「クラスの分けの発表で名前が張り出されるじゃない? すると2年まではいつも一番最初に名前があってね?」
「……」
「どうもそれを、成績順だと思ってたらしくてね。いつも僕に自慢してたよ。『今年も一番だ』って」
懐かしそうに話す圭樹に、なんと返せばいいのだろうか。
「それって、やっぱり五十鈴川は馬鹿だって証明じゃーー」
「桐谷、私の悪口を言うときはその命かけろ」
ハッと顔を上げると、額にシワを寄せた苺が立っていた。
「五十鈴ーー、違っ、俺はお前の悪口をいってたわけじゃ」
「あはは、桐谷、苺に嫌われちゃったね」
「てめっ、また俺をっ」
「外にでろ! 桐谷っ!」
「ちっ、ちがーうっ!!」
こうして桐谷くんは苺に敵として認識されたようです。
あわれ、桐谷。
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