苺の敵はぶどう?

3/3
前へ
/186ページ
次へ
「苺の名字、五十鈴川でしょ?」 「だな」 「クラスの分けの発表で名前が張り出されるじゃない? すると2年まではいつも一番最初に名前があってね?」 「……」 「どうもそれを、成績順だと思ってたらしくてね。いつも僕に自慢してたよ。『今年も一番だ』って」  懐かしそうに話す圭樹に、なんと返せばいいのだろうか。 「それって、やっぱり五十鈴川は馬鹿だって証明じゃーー」 「桐谷、私の悪口を言うときはその命かけろ」  ハッと顔を上げると、額にシワを寄せた苺が立っていた。 「五十鈴ーー、違っ、俺はお前の悪口をいってたわけじゃ」 「あはは、桐谷、苺に嫌われちゃったね」 「てめっ、また俺をっ」 「外にでろ! 桐谷っ!」 「ちっ、ちがーうっ!!」  こうして桐谷くんは苺に敵として認識されたようです。  あわれ、桐谷。
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

232人が本棚に入れています
本棚に追加