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ここは蓬莱高校、ちょっと特殊な私立高校だ。
何が特殊かといえば、勉学だけではなくいろんな才能を延そうと、天才、奇才、変人、もとい、少しだけ風変わりな生徒が多いのです。
例えば彼女。
ダンッと高く飛んだかと思えば、彼女はオレンジのボールを放った。
それは綺麗な放物線を描き、ゴールに吸い込まれていった。
「っしゃー!」
そう叫んでガッツポーズをとってるのが、五十鈴川苺。髪はストレートボブ、瞳は大きくまるで──。
「五十鈴川って、童謡のアイアイみたいだよな」
「アイアイ?」
同級生の感想を理解できなくて聞き返せば、彼は、「知らねえの?」とこれまた聞き返す。
「目が大きくてってやつ」
「しっぽは無いけど?」
真顔でそう答える彼は、支倉圭樹。五十鈴川苺の幼馴染だ。栗色の髪は目にかかるくらい、その容姿はイケメンと言っていいだろう。前髪をかきあげるだけで、周りから小さな吐息が落ちるくらいなのだから。
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