四季のお話 冬

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その時、異臭がした。 顔を上げれば、吹雪の白い幕の向こうに大きなシルエットが見える。 奴だ。 二本の足、腕と呼ばれる二本の付属肢、その手に持つ石と木材を組み合わせた石斧と呼ばれる武器。 間違いない、後に霊長となる進化した猿、人類だ。 私は即座に周囲を警戒する。人類の最大の脅威はその連携だ。目の前の一体に集中しているうちに、後ろからやられてしまっては元も子もない。 だが、奇妙なことに、周りには気配は存在しない。 改めて相手を見れば、相手はふらふらとよろめくように歩き、うっすらと血の匂いもする。 仲間とはぐれて弱っているのだ。この機を逃す手はない。 私は4本の脚で地面を蹴ると、人類の喉を食い破った。
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