きっと、これは私のはつ恋だった。

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今日も優良先生はいい香りがする。 背中の半分まである黒髪を、耳でかける仕草をして、私の解き終えた問題を覗き込む。 フローラルの甘美な香り。使っているシャンプーは何なんだろう。 どぎまぎしながら、それでも彼女の近づく横顔から目が離せない。 普通の人間だけど、トイレとかしないんだろうな。 生理とかないんだろうな。 そう思わせる。 実際、私の家庭教師である優良先生は、一度もうちのトイレを使ったことがない。 先生が座ったあとの便座を、そっと撫でてみたい気もするんだけど。 私って、変なのかな。
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