第四章 作戦会議

16/18
前へ
/120ページ
次へ
「大丈夫です。先生が悪いわけではないので」  仕方ないといえば、これは仕方ないこと。  犯人がこの二日間で何もしてこないという保証はないし、よく考えてみれば、私たちが必ず犯人を捕まえることができるという保証もない。  だから、これは仕方がないことなんだ。  先生や私たちは誰も悪くない。  悪いのは犯人なんだ。  ――イオリに、なんて説明しようかな。 「また、イオリにも言っておきます。だから、先生はイオリに直接伝えないでください」 「わかった」  何かを察したように先生はそう返事をした。  ――分かってくれたのなら本当に良かった。 「ありがとうございます」  私はそう言って、その場を離れた。  ……やっぱり、イオリには言わないでおこう。いや、言っちゃダメな気がする。  ずっとは無理かもしれないけど、少なくても二日後までは。  で、犯人を捕まえたら、復帰できないか尋ねてみよう。  それでも無理だったら――悲しいけど、イオリに言うしかない。  今日は梅雨明けらしいけど、まだぽつぽつと雨が降っていた。        ***  ――七月六日。  ついに、決戦の日。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加