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呼び出し音、一回目
トゥルルル…
トゥルルル…
俺がこの電話箱の話を聞いたのは、ちょうど俺自身が高校生になった頃。
俺が進学した学校は、合併校だった。昔からある校舎、校章、制服は古くて、周辺の人たちにとってはとても馴染み深い物。
でも、さすがに古すぎて生徒が少なくなってくる。とうとう全校生徒だけでやっと一部屋埋めれるくらいの数となってしまった。
校長先生はお世話になった人たちに深く頭を下げて、比較的近くにある別の学校と合併することを生徒たちに伝えた。教育方針も、合併する学校と相談して二校分、ちゃんと残して存続していく、と。
俺が入学したのは、合併してほんの数年しか経っていない時だった。
最上級生はセーラー服、ブレザー、学ランを着ている人たちが混ざっていた。つまり、その学年は学校が分かれていた時の最後の入学生だったわけ。
俺は入学式の日からブレザーを着て、ネクタイを締めていたから、なんというか、世代の違いを少し感じていた。
次の年からは、もう、学ランもセーラー服も着ている人はいなくなる。
そう思うと、一つの時代が去っていった様に思えたんだ。
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