13人が本棚に入れています
本棚に追加
Jupiter
テーマが戦争への追悼、継承なのにも関わらず、英語を用いることに些か抵抗はあるのだが、紹介させて欲しい。
Jupiterは、フェニックスが打ち上げられる時に使われている、平原綾香の楽曲である。
ゆったりとした雄大な曲調に合わせて、6箇所の打ち上げ場所から信濃川の河川敷いっぱい、全長約2kmという幅で圧倒的スケールのスターマインが打ち上げられる。
花火の中心にフェニックスに見立てた光線が現れる尺玉が次々に打ち上げられて、華々しく、時には迫力を持って夜空を彩っていく。
近年ではこのフェニックスが有名になり、8月2日、3日の両日合わせて100万人を動員するまでになった。
「蘇る、また立ち上がれる」と震災からの復興を祈願するフェニックスをはじめ、開花幅約650mと大輪の花を咲かせる正三尺玉など、見る者を魅了する長岡花火だが、その起源が8月1日に起きた長岡空襲の慰霊にあることを忘れてはならない。
忘れてはいけない思いを受け継ぐ為、祈りを受け継ぐ為、花火大会は毎年8月2日と3日に開催することが定められたのである。
想いと祈り、復興と平和。
一玉に込められたさまざまな想いを乗せて、花火は夜空に咲き乱れる。
またいつの日か間近で見る時に、私は今までとは違う感情を持って、光の色をしっかりと心に焼きつけるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!