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エレーナはハーブティーを隅々まで味わうようにゆっくりと口に含んでいく。静かな夜のダイニングに、エレーナの喉を通るハーブティーの音が紛れ込む。
「やっぱりハーブティーはレイラが淹れてくれたものが一番美味しいわね」
湛えられたエレーナの笑みはほんのりと上品に照らす月の明かりによって、普段よりもより一層美しく見えていた。
エレーナがハーブティーを味わいつくすと、ティーカップの縁から瑞々しく艶やかな唇が離れていく。レイラは気付けば、いつも以上に麗しいエレーナから目が離せなくなってしまっていた。
カップとソーサーを机上に戻したエレーナが、レイラの瞳をじっと見ながらゆっくりと口を開く。
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