7人が本棚に入れています
本棚に追加
アイに富士急ハイランドまで送ってもらい、観光案内所に入る。
「いらっしゃいませ。何をご所望でしょうか?」
「両替と服装の調達を」
「かしこまりました。いつの時代からお越しですか?」
「2094年からです」
「じゃあ、最初期の方たちなんですね」
「それはどういう?」
「この場所に時空旅行者用観光案内所が設置されたのは昭和時代で、既に60年近く経過しています。ですが、訪れる方は22世紀以降の方がほとんどで、21世紀の方が来るのは珍しいんです」
そうか。
俺たちの時代にタイムマシンが発売されたということは、後の時代の人は必然的にタイムマシンを持っていることになる。22世紀以降の人に比べて実用化以降7年間しかない21世紀の人が少ないのは当然か。
「って、両替でしたよね。現金にしますか?電子マネーにしますか?」
この時代は電子マネー非対応のものが残ってると聞いた。
「現金でお願いします」
「では、カードをこちらへどうぞ」
カードを手渡す。
「それでは、カードの残金43万円を全額両替します。よろしいですね?」
「はい」
「それでは、現金で43万円になります」
って、意外と多いな。
当時のお札が43枚もあれば当然か。
すべて予め用意した財布にしまう。
「それと、服装ですね」
二人それぞれ職員に採寸してもらい、選んでもらったこの時代の服を受け取る。
最後に荷物検査を行い、オーパーツとなるものを全て預ける。
「くれぐれも帰りに忘れ物のないようにお願いします。
それでは、よい旅を!」
最初のコメントを投稿しよう!