令和6年の東京①

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 アイに富士急ハイランドまで送ってもらい、観光案内所に入る。    「いらっしゃいませ。何をご所望でしょうか?」  「両替と服装の調達を」  「かしこまりました。いつの時代からお越しですか?」  「2094年からです」  「じゃあ、最初期の方たちなんですね」  「それはどういう?」  「この場所に時空旅行者用観光案内所が設置されたのは昭和時代で、既に60年近く経過しています。ですが、訪れる方は22世紀以降の方がほとんどで、21世紀の方が来るのは珍しいんです」  そうか。  俺たちの時代にタイムマシンが発売されたということは、後の時代の人は必然的にタイムマシンを持っていることになる。22世紀以降の人に比べて実用化以降7年間しかない21世紀の人が少ないのは当然か。  「って、両替でしたよね。現金にしますか?電子マネーにしますか?」  この時代は電子マネー非対応のものが残ってると聞いた。  「現金でお願いします」  「では、カードをこちらへどうぞ」  カードを手渡す。  「それでは、カードの残金43万円を全額両替します。よろしいですね?」  「はい」  「それでは、現金で43万円になります」  って、意外と多いな。  当時のお札が43枚もあれば当然か。  すべて予め用意した財布にしまう。  「それと、服装ですね」  二人それぞれ職員に採寸してもらい、選んでもらったこの時代の服を受け取る。  最後に荷物検査を行い、オーパーツとなるものを全て預ける。  「くれぐれも帰りに忘れ物のないようにお願いします。  それでは、よい旅を!」
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