とある一家

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蝉の鳴き声も落ち着くころ、日は傾く。 それが幕開けの合図。 静かだった空気をゆっくりと撹拌させる。 乾いた土に、もわりとした匂いを立たせて。 敏感な動物たちに聞こえるように不安な音をわざと立てる。 さあ、準備は整った。 数分間のSHOWをはじめよう。 俺様の響く音と光を堪能あれ―― … 黒い雲の舞台で、楽しそうに遊ぶ兄の背中を見ているのだが 俺様とか言っちゃって、あまたの人に怖いイメージを植え付けている。 でも、悪影響がない程度に数分で終わらす兄が好き。 なんだかんだいってこの世界が好きなんだね。 ときどきやりすぎて、停電させちゃうけど。 さて、私は誰のおへそ取ろうかなー。
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