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「本当に、それでいいのか?」
宇治原三佐の控室として使われている、宿舎の101号室。椅子に座る宇治原三佐の前に立っていた絵里香がうなずく。
「はい」
「……」難しい顔のまま宇治原三佐はしばらく黙り込んでいたが、やがて深くため息をつく。
「分かった。君の意思を尊重しよう」
「ありがとうございます」絵里香は頭を下げる。
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「……いてえっ!」
101号室のドアの前で聞き耳を立てていた譲が悲鳴を上げる。いきなり開いたドアが彼を直撃したのだった。
「何をやっているんだ?」
ドアから出てきた宇治原三佐が、譲をにらみつける。
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