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 ”タク”の指示に、間髪を入れず”ノブ”が応える。 「了解(コピー)」  それまで上空の雲の中に隠れていた”ノブ”の機体が、敵に向かって一気に急降下する。待ってました、と言わんばかりに。 「”ノブ”、フォックス ツー」  ”ノブ”のミサイル発射のコール。敵も気づいたようだが、一歩遅かった。それが回避しようと九十度横転(クオーターロール)した瞬間、”ノブ”が放ったミサイルが敵機の排気ノズルの真後ろで爆発。右側のエンジンと尾翼を吹き飛ばす。そのまま敵機は黒煙を引いて墜落していく。その機体の尾翼に、オオカミをあしらった赤いマークを見つけた”タク”は驚く。  ”あ、あのマークは……まさか……” 「”タク”、大丈夫だった(アー ユー オーケー)?」  いつの間にか、彼の左側に”ノブ”の機体が並んでいた。”タク”のそれと同じ、ノースロップ・グラマン YF-23。その機体はそれまでの戦闘機のように、左右に垂直尾翼と水平尾翼が一組ずつあるのではなく、機首から見ると斜め右上と斜め左上に向いた一組の尾翼しか備えていない。 --- YF-2305bdc47a-7d0f-4701-9f76-a0605e1f2bbb
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