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 そしてそんな彼の頼りになる相棒が、”ノブ”だった。技術的にはほぼ互角。滑らかな日本語を話すので、おそらく日本人、それも声を聞く限り彼と同世代くらいの少年だろう。”ノブ”というTACネーム(Tactical Name:戦術名。ゲーム内で使われるニックネーム。現実の航空自衛隊でもパイロットの識別に使われている)からしてもそれっぽい、と巧也は思う。  と言っても、”ノブ”に出会う以前、巧也は色々なパイロットとペアを組んできた。多くのプレイヤーと飛行隊(スコードロン)を組んで、一大作戦に参加したこともある。  DFのプレイヤーには、大人の人もいれば明らかに海外からログインしていると思われる、英語しか通じない人もいた。と言っても、基本的にミッション中は日本人同士でも英語を使うことが多い。そっちの方が手っ取り早いのだ。おかげで彼はいつの間にか英語が得意科目になっていた。
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