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「いらっしゃいませ。あら、アキラくんいらっしゃい。」
レジでサイトウさんのお姉さんに挨拶する。
「お邪魔します。」
「そちらのお二人はお友達?」
「友達のトウキです。アキラがお世話になってます。」
「あの、サイトウさんと同じクラスのウチダです。」
「あらあら、ナツカのお友達ね。いらっしゃい。ゆっくりしていってね。」
「あ、ちょっと本を見てきていいですか?」
「もちろん。いつもありがとうね。」
サイトウさんのお姉さんと別れ、三人で奥へと進む。
すぐに着いた。
ここを曲がれば昨日の本棚だ。
「昨日いたからって、今日もいるとは限らないよ。」
通路から本棚の前を覗いてみると、昨日と同じ、白いお兄さんがいた。
「いた。」
「おーあれが本の神様かー。」
「不思議な感じ。神様っぽいね。」
神様っぽいのがどういうのかわからなかったけど、
神社の家の子が言うんだからそうなんだろうか。
トウキは本棚の前にいる、本の神様のお兄さんのところへ行った。
「すいません。」
「はい。」
「本の神様ですか?」
「はい?」
慌ててボクもウチダさんもトウキのところに行く。
「バカ、急に聞いても意味わからんだろう。」
「こーゆーのは素直に聞いたほうがいいんじゃないの。」
「教室でサイトウさんの話したときの自分の言葉を思い出せよ、
急に聞いたらバカだと思われるって言ってたのトウキだろ?」
「教室?もしかしてキミたち……」
お兄さんが何か言おうとすると、奥から声が聞こえてきた。
「お姉ちゃん、お父さんが呼んでるよー。」
そう言いながら声は近づいてきて、
奥の通路からサイトウさんが顔を出した。
「え、タムラくんに、クワハラくんに、ウチダさん?」
「あ、サイトウさん。」
「やっぱりナツカのお友達か。」
「お姉ちゃん?何話してたの?」
「お姉ちゃん?」
「お姉ちゃん?」
「お姉ちゃん?」
「お姉ちゃん。」
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