3/13
前へ
/50ページ
次へ
 夕立は思いのほか長く続き、予定よりかなり遅くに帰社した僕は、惰性で次の日の準備をしてから帰宅の途についた。さっさと寝てしまおうかなんて考えながら、アパートの部屋のドアを解錠した。  その瞬間のことだ。    ――雷様だぞぉ。  玄関の中で、女が頭の上に下敷きを持ち、髪を逆立たせていたのは。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加