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「……ヒッ!!」  玄関前の通路で思いっきり飛び跳ね、壁に背中をしたたか打ち付けて通路に尻もちをついた。  顔を顰め、ようやく相手を見れば、見覚えのある顔だ。   「何やってんだよ……夏菜(かな)」 「誰よ……夏菜って」  そう言いながら、女は玄関から出てきて、僕の前でしゃがみこむ。長い髪を垂れてこないように手で押さえている。
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