4人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
自宅で必死に勉強して、学力は大きく下がることはなかったが、出席日数がかなり足りない状況だったので、高校受験のときは不安だった。
それにもかかわらず、不登校になる前の学年上位の成績と
担任の先生の文章のおかげだろうか、
なんとか、私立の、ある程度いい高校に入れてもらえることになった。
高校に入ってからはいじめられることはなかったが、中学校の時のトラウマから
大して仲の良い友達も作れず、淡々とした日々を送った。
その後、ある程度上位の大学には入れたが、
ひとりぼっちで、とりあえずやらなければならないことだけをこなしながら、
ボーっと過ごす毎日だ。
今も、周りが楽しそうに雑談をしているなか、ぽつんと黙って席に座っている。他にも一人で座っている生徒が数人いるが、彼らは本を読んだり、講義に関する論文を読んだり、ゲームをしていたり、とそれぞれ充実した時間を過ごしているようだった。
私は、たいして講義の内容に興味を持っているわけでもないし、本はあまり読まないし、ゲームの面白さもわからないし、趣味という趣味がないので、何もすることがなく、ただただ座っているしかないのだ。
そんな時だった。
最初のコメントを投稿しよう!