エピローグ

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『竜助、これはなんじゃ⁉』 「流貴(るき)! それはおもちゃじゃない! 呪いの札っていう……あぁあ、あれこれ触っちゃ駄目って言ってるだろ」  俺にしっかりと憑いているからだ。 『学校という場は面白いのぉ、竜助』  授業中はやっと大人しくしてくれるようになった流貴だが、都市伝説部の部室に来ると気にすることなく俺に話しかけてくる。  当初は『リュウ』と呼んでいたが、俺の名前と被るから親父が新たに『流貴』はどうかと提案してくれた。  最初こそ、『竜助と一緒の名前が良い!』とごねていた流貴だったが、俺が良い名前だと褒めた途端コロッと『流貴が良い!』と言った。  今では呼んでくれとうるさいくらいだ。 「先輩、流貴と一時的に離れる方法はないんですか?」 『えっ⁉ 竜助と離れるなんて嫌だぁ!』 「あぁ、ウソウソ! 冗談! だから、泣かないでくれ!」  周りで騒ぐ俺達に目もくれず、雨宮先輩は都市伝説の雑誌を読みながら横に流れる髪を耳にかけた。  トレードマークとも言える黒縁眼鏡は、流貴がかけてはしゃいでいる。  今、俺達以外の人間がこの部室にどういう風に入ってきたら、卒倒してしまうのではないかと思う。  傍から見れば、眼鏡が宙に浮いているのだから。
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