初めましてのレイニー・ブルー

1/8
前へ
/8ページ
次へ
僕がその少女に会ったのは、地元の総合病院に入院している母親の見舞から帰る途中だった。田舎の町で、電車なんかほとんど走っておらず、高校生の僕が遠出をするときの主な交通機関はバスだった。 今日も例に漏れず、肺の病気で入院している母親がいる病院へはバスで向かった。 天気予報では晴れと言っていたのに、母に会い、病院から出る瞬間、ポツポツと雨音が聞こえてきた。 うわ、どうしよう。傘持ってないや……。 家に帰るだけなので、多少濡れるのはいいんだけどなあ。 と、病院からほど近いバス停まで歩いていたところ、急に雨脚が強まり、あっという間に土砂降りになってしまった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加