凍り、砕けて、溶けていく。

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出会って二年半が経った。 「痛い、っよ、」 「もうちょっとだけ。頑張れる?」 多分、惹かれたのはお互いで、テレパシーのように何も言わなくても分かり合えた僕達は会ったその日に、今のようにベッドの上で愛し合った。 「がん、ばる。 湊士、湊士っ!」 首筋をギリギリと噛まれて耐えられなくなる。 だけどそれと同時に湊士を受け入れてあげている自分に浸る。 僕だけ。 湊士の暴力を受け入れてあげれるのは僕だけ。 「もう無理、ラストいくよ」 「うんっ、 あっ!痛だああ!!」 より一層噛まれて、逸物を握り締められた。 こんなことされて、感じるのは湊士だけ。 1ヶ月振りの痛みに僕は奥をキュンとさせて絶頂した。 「凄いよかったよ、翠斗」 「うん、」 行為の後、僕を抱き締める湊士。 汗ばんだ筋肉の中で僕は幸せを感じながら眠りにつく。 恋人じゃないから次会うのはいつか分からない。 湊士の恋人になれるのは女の子だけだから。 だけど、長続きしない湊士の彼女には僕はなりたくない。 名前のない関係でも、湊士を癒せるのは僕だから。 湊士の特別は僕だけだよね? 痛いよ、 湊士。 痛いから、もっと痛くして。 ずっと傍においてよ。
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