どん底に落ちた執事暮らし

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食事の時間になった。彩乃は岬に一緒に食事を摂るように言うので今日も末席に座っていると、岬の好物ばかりが運ばれてきた。スコッチエッグに菜の花のカラフルなサラダ、ヴィシソワーズやオムレツ等々。 びっくりしていると、彩乃が嬉しそうに笑った。 「岬くん、今日誕生日でしょう」 そうだ、己の境遇に嘆くばっかりで、誕生日なんてすっかり忘れていた。……ということは、このご馳走は彩乃が提案してくれたのだろうか。 「あ……、ありがとうございます……」 流石の岬も、お礼の言葉が素直に出た。彩乃が満足そうに、ふふ、と微笑む。 「ケーキもあるのよ。あとで切りましょうね」 にこにこと微笑む彩乃を見て憎く思わなかったのは、これが初めてだった。
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