【 第1話: ペロッとしちゃうぞ♪ 】

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【 第1話: ペロッとしちゃうぞ♪ 】

 俺は、『ゴクリ』と(つば)を飲み込んだ。  その音は、ミャーにもおそらく、聞こえていただろう。  ミャーは、レースの天蓋カーテンを開けると、その座っている横にちょこんと女の子座りをした。  俺は、チラッとミャーの方を見る。  まずい……。  モジモジしている……。  しかも、白いバスローブがよく似合っている……。  とてもかわいい……。  でも、やはり何か違和感がある……。  それは、何なんだ……。 「タ、タロー……? お願いがあるにゃ……」 「な、何だい……? お願いって……?」  ミャーは、その白い頬をピンク色に染めて、俺の顔を上目遣いで見てきた。  ミャーのその大きなブルーの瞳の中に、俺の姿が綺麗にはっきりと映っている。  ミャーの魅力に、吸い込まれそうだ……。 「『』としてもいいにゃん……?」 「カ、カプッ……?」 「そうにゃん……」  『カプッ』というのは、何なんだ……。  ま、まさか、ニヤ国では、俺の知らない『カプッ』というすごいプレイが主流なのか……。  い、いや、ダメだ、ダメだ。  俺は、この国の王子になんかなれやしない。明日、名古屋へ帰るんだ……。  し、しかし……。ミャーは、かわいい……。  ミャーがもそもそしながら、俺の方へ寄ってくる……。  近くで見れば見るほど、子猫のようで、かわいい……。 『チリリン……』 「んっ? 子猫? んっ? 紫色の鈴……」  どこかで、見たことのある紫色の鈴と、この音色……。  ミャーは、更に俺の方へ、体を寄せてきた。  距離にして、30cm。  視線を少し落とすと、純白のバスローブの間から、柔らかそうな白い胸元が見える……。  やばい……。 「あれっ? タロー、鼻血が出ちゃってるにゃ」 「あっ、やべっ、マジか……?」 「ミャーが舐め取ってあげるにゃ♪」 「えっ?」 『ペロッ♪』 「あ、あ、あ、あぁぁーーーーっ!!」  俺は、この小娘に、鼻血をペロッとされちゃったのだ……。
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