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高校生になると一吹君は、アルバイトをするようになった。
そして、東京へ連休を利用してやって来る。
私は東京駅まで迎えに行き、貴重な2人の時間を過ごすようになった。
もちろん、ホテルには泊まらず我が家に宿泊する。
2人で居られる時間が少ないからこそ、お互いを大事にした。
喧嘩もしたけど、それ以上に一緒に居られる時間を大切にしたいと思った。
デートは映画を見たり、遊園地へ行ったり。
でも楽しい時間は短くて、東京駅まで見送りに行くと仙台まで付いて行きたくなってしまう。
すると、
「真夏を仙台へ連れて帰りたい。」
「私も付いて行きたい。」
「今は我慢だな。」
「…」
「真夏、必ず迎えに行く。
だから、俺を信じて待ってろ。」
私が涙を流すと、強く抱き寄せてくれた。
耳元で、
「将来、結婚しよう。
真夏じゃなきゃダメなんだ。」
私は一吹君の腕の中で頷いた。
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