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有史以来、国家間の争いの絶えないイウレアであったが――
遊星衝突、さらに言えば惑星文明終焉の危機を前にして、全惑星評議会の開催が呼び掛けられた。ここに至り、イウレア上でのあらゆる抗争に一時的な休戦協定が結ばれ、独立都市まで含めると数百にのぼるという、惑星イウレア上のすべての国の代表が、迫りくる遊星への対策を協議した。
惑星上のありとあらゆる科学の知見、魔法の知識を総結集し、二千人以上の学者たちを集めた六日間にわたる集中討議が行われ、
結果、
あまりにも巨大すぎるその遊星を未然に破壊することは、事実上不可能。
また、遊星エルグの軌道に変更を加え、イウレアへの衝突を回避するという選択肢も、
人類が持てるあらゆる技術やリソース、いかなる魔法力をもってしても、明らかに不可能であると。そのように結論づけられた。
ただし、
唯一、小さな可能性が残された。もちろん可能性としては極めて頼りないものではあるが。その他の可能性をすべて塞がれたその時点のイウレアにとっては―― それでもあえて、検討に値するひとつの提案だと。ある種、悲壮な覚悟を持って、その後の延長会議の場で、二日にわたり、昼夜を徹して話し合われたという。その、一部の惑星科学者から提案がなされたという、その内容とは――
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