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第1章 ギター
「おはよう、兄さん」
俺、相原湊斗は仏壇のところにある兄さんの写真に挨拶をした。
今日から高校生になった俺は兄さんに報告をしょうとちょっぴり早めに起きた。
「兄さん。今日から俺高校生になったよ。しかも兄さんが通っていた高校なんだ」
『湊斗~。そろそろ行くわよ~』
「今行くー」
もう一度、兄さんの写真に
「行ってくるよ、兄さん。学校が終わったら制服のままお墓に行くかも。じゃあ、行ってきます」
「母さん、遅いよ。自分で呼んだくせに」
「ごめん、ごめん。それより湊斗、お兄ちゃんに挨拶してきたの?」
「ちゃんとしたよ」
「それならいいわ。じゃあ、学校に行きましょうか。遅刻したら大変だわ」
「そうだね。せっかくの入学式に遅刻じゃあ笑えないよ」
「そうね。忘れ物はないわよね」
「ないよ」
さっきも言っていたが今日は俺の高校の入学式なんだ。入学式なのに遅刻なんてしたら笑えない。
いろいろと楽しみであるが俺には高校生になったらやりたいことがある。
何をやりたいかってそれはあとで教える。
「車だとさすがに早いわね。もう着くわ」
「昔より少し新しくなってる?」
「確か……校舎の壁とかペンキで塗装したとかパンフレットに書いてあったわ」
「へぇー」
確かに壁の色とか新しいかもしれない。
歴史がある学校だったんだなぁ~。
「ほら、着いたわよ」
「まだ、時間もあるしクラス表でも見てくる」
「そうしたら。ついでに受付もしてきたら? 場所探しのついでに」
「分かった。母さんはどうする?」
「まだ車の中にいるわ。受付したら戻って来て」
「了解~」
車から出た俺は早速、受付の場所とクラス表を見に移動した。
先ずは体育館かなと思って移動する。案の定、受付は体育館の前にあったし、少し離れた所にクラス表もあった。
まずは……クラス表を見る事にした。受付には何人かいたから少し人が減ってからにしよう。
「えーと、俺は……」
「二組だよ。1ー2だよ」
「!」
後ろから声が聞こえでビクッと縮こまった。そして後ろを見るとそこには俺の知っている奴がいた。
「渚沙!」
「おはよう、湊斗」
「おはよう。もう来ていたんだ」
「うん。クラスも確認したし、受付も終わったよ」
「早いなぁ~。渚沙は誰と来たんだ?」
「お母さん。今、お手洗いに行っているから」
「そっか。俺も受付行ってくるから時間までうちの母さんの相手してやって」
「うん、分かった。お母さんに伝えるよ」
彼女の名前は初凪渚沙。小柄でショートカットで前髪を右に寄せてピンで止めている。笑うと可愛いと周りから言われる女の子だ。
幼稚園からの付き合いの俺の幼馴染みで高校も一緒だ。これはもう腐れ縁だなと思っている。
とりあえず、俺は受付をして戻ると丁度、渚沙の母さんが戻って来た所だったから挨拶をして時間が来るまでうちの母さんと話し込んでいた。
俺は渚沙と話し込んでいた。
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