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ギター ①
無事に入学式が終わって俺は母さん達と一緒にファミレスに来ていた。
ぶっちゃけ女子の会話が長い。特に母親達の会話は。
入学式が終わって俺と渚沙が戻って来てもまだ、会話をしていたしうちの母さんが『お昼ファミレスでも行かない? まだお話したいし』なんて言ってさらに延長戦。
ほんと話が好きだなぁと思ってしまう。俺的には早く帰りたいと思っているわけでもう、一人で帰るかぁと思っている最中だ。
「ねぇ、湊斗。湊斗は何か部活入るの?」
「部活は入らないと思う」
「そうなの?」
「うん。渚沙は?」
「分からない」
「俺に聞いておいて」
「あっははは」
渚沙が軽く笑った。
別に部活をやりたくないとかではないんだ。俺的にやりたいことがある。それにガッチするかどうかになる。
「この子は部活よりやりたいことがあるのよ、渚沙ちゃん」
「えっ、そうなんですか!」
「そうそう。この子、バンドをやりたいみたいなの」
「えっ!」
おいおい、ばらすなよ母さん。
母さんは知っているのはしょうがない。母さんと父さんには話をしたから。そしてやるからには条件ついたし。
でも、他の人には知られたくなかったのに。
「まぁ~、夢があっていいんじゃあないですか~」
「そうかしら?」
さすが渚沙のお母さん。夢をバリバリ応援したくなる派なんだなぁ~と思った。
うちの母さんとは大違いだ。
これ以上バラされたくないからもう、ファミレスを出よう。
「母さん。先に帰ってもいい? 行きたいところがあるから」
「えっ。まぁ~いいわ。母さんまだここにいるけど、あんた一人で大丈夫よね」
「大丈夫だよ」
「分かったわ。先に帰ってもいいわよ」
「サンキュー」
一応、母さんに聞いて俺は自分の荷物を持って立ち上がった。
「私も先に帰ってもいい?」
「あら、渚沙ちゃんも!」
「いいでしょう、お母さん」
「いいわよ。気を付けて帰るのよ」
「うん!」
「ごめんね、湊斗君。渚沙の事よろしくお願いね」
「分かりました」
俺一人で帰ろうと思っていたらなぜか、渚沙も一緒に帰ることに。まぁ、いいけど。
とりあえず、俺と渚沙はファミレスを出て歩きながら自宅に向かった。
「湊斗はどこかに行こうとしていたの?」
「何で?」
「早く帰ろうとしていたから」
(よく見ているなぁ~渚沙)
隠してもしょうがないし、渚沙なら別にいいかと思って渚沙に打ち上げる。
「兄さんのお墓に行こうと思ったんだ。制服姿を見せようかなって。家だと上だけだし」
「ねぇ、湊斗。私も一緒に行っていい?」
「別に。兄さんも喜ぶと思うし」
「ありがとう~」
俺一人で行こうとしていた兄さんのお墓に渚沙も同行で一緒に行くことになった。
二人して道を歩きながら兄さんのお墓に向かった。
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