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ギター⑦
「さて、渚沙ちゃんに説明したところで何やるかな? 湊斗。久しぶりに弾くのか?」
「いいえ。練習はしていました」
「そうか~。じゃあ時間もあまりないし、軽く指の運動とやりたい曲でもやるか。もしかしたら曲をやる前に時間がくるかも知れないが」
「大丈夫です。今日はいきなりだったから明日やれば」
「分かった。じゃあ、渚沙ちゃん」
「はい?」
「渚沙ちゃんの座っている辺りの所に小さな本棚があるからそこから初級のギターと書いてある本をどれでもいいから一冊取ってもらってもいいかな?」
「はい。えーと……これで」
渚沙が初級編と書いてある本を持ってきた。俺がいた場所からでは何冊本があったのか見えないがたくさんあるんだろうなぁ~と思った。
「じゃあ、このページをやろう。軽く指の運動だと思って。いつでもスタートしてもいいぞ、湊斗」
「はい……」
軽く楽譜を見てからギターを鳴らした。
「ふぅー。こんな感じですかね」
「まぁ、初級編だから湊斗には簡単だったかもしれないが」
「指の運動ですから」
「そうだな。じゃあまだ内線がこないから曲でもやるかぁ、簡単なのを」
「はい」
「じゃあ……」
潤さんが初級編の本から曲を選び始める。ページをめくる音だけが聞こえる。
「じゃあ、き」
プルルルル~
「内線がきたなぁ。ここまでだな」
「そうですね」
「じゃあ三人で戻るかぁ。湊斗、楽器を閉まってカウンターで予約していけよ」
「分かりました」
そのあとは潤さんに言われた通りに明日の予約をして渚沙とファミレスによって一日が終わった。
~ ♪ ~
お昼休み。
俺は友達と一緒に屋上でお昼を食べていた。屋上でお昼を取っている人は少なく、のびのびとしていた。
「二人はどこの部活に入るのか決めたのか?」
「全然」
「蒼真と同じく全然。秋人は決まっているんだっけ?」
「そう。俺はサッカー部!」
「中学からやっていたもんね、秋人」
「まぁ~な。好きだしサッカー」
同じ中学からの友達の林野秋人と〇〇蒼真と一緒にご飯を食べていた。
偶然にも同じクラスになったからそのまま高校でもつるんでいる。
秋人は正義感が強く、負けず嫌い。運動神経がいい。勉強は普通だけど。小中とサッカーをやっていて高校でも続けるみたいだ。
蒼真は中二からの友達。蒼真は中二でこっちに引っ越ししてきた。中学じゃあ部活はいない、帰宅部。友達思いの優しい奴だ。
「午前中が主に運動関係の紹介だったから午後文化系に湊斗と蒼真のやりたい部活があればいいなぁ」
「そうだね。あるといいね、湊斗」
「そうだな~」
今日は部活紹介で一日が終わる予定だ。なにせ部活がたくさんありすぎて午前中で終わらない。
でも、俺的には午後の軽音部に興味があったからいいけど。軽音部も始めは無かったらしいが兄さん達が卒業する前から流行り出して今では、高校生のバンドフェスティバルなんていうものまであるらしい。
つまり高校生のバンド大会。バンドやっている人なら憧れの的。下手すればプロにも注目される事もあるとか、ないとか。
俺も噂でしか聞いた事がないから分からないが。
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