結婚式と初夜

3/4
前へ
/13ページ
次へ
后はついに王の姿を目にした。 (なんてかわいらしいの…?!) そこには、背が子供のように低く、髪は天然パーマで、ややぽっちゃりしてて、目がつぶらで、威厳というものは全く感じられないような男の子がいた。 一目惚れであった。 「は、恥ずかしいっ!笑うなら笑って良い!  もう出てってくれ…お願いだ!」 后はそれを受け入れる訳にはいかなかった。 そっと近くに寄り、 「なぜです?なぜ恥ずかしいなどと仰るのでしょうか?」 「この顔、背の低さを見て何も思わぬというのか!  臣下たちも皆、私の前で言わないだけでバカにしているのだ。」 涙を浮かべながらそう話す王を見て、后は居ても立っても居られなくなった。 王の手を握って、伝える。 「私はそういう王様もいて良いと思います。同じような王様ばかりでは面白く  ありませんわ。どうか泣かないでくださいませ。  こんなにかわいらしい王様がいらしたなんて…  私はそのお姿の王様が好きです。  しかし、お言葉ではございますが、こんなことで泣いてしまわれる王様は  よろしくありませんわ。これは王様ご自身もお分かりのはず。」 ぽろぽろ、と涙を流す王。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加