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后はついに王の姿を目にした。
(なんてかわいらしいの…?!)
そこには、背が子供のように低く、髪は天然パーマで、ややぽっちゃりしてて、目がつぶらで、威厳というものは全く感じられないような男の子がいた。
一目惚れであった。
「は、恥ずかしいっ!笑うなら笑って良い!
もう出てってくれ…お願いだ!」
后はそれを受け入れる訳にはいかなかった。
そっと近くに寄り、
「なぜです?なぜ恥ずかしいなどと仰るのでしょうか?」
「この顔、背の低さを見て何も思わぬというのか!
臣下たちも皆、私の前で言わないだけでバカにしているのだ。」
涙を浮かべながらそう話す王を見て、后は居ても立っても居られなくなった。
王の手を握って、伝える。
「私はそういう王様もいて良いと思います。同じような王様ばかりでは面白く
ありませんわ。どうか泣かないでくださいませ。
こんなにかわいらしい王様がいらしたなんて…
私はそのお姿の王様が好きです。
しかし、お言葉ではございますが、こんなことで泣いてしまわれる王様は
よろしくありませんわ。これは王様ご自身もお分かりのはず。」
ぽろぽろ、と涙を流す王。
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