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かつて復讐のために親父を殺したときに立てた誓い。``手前の大事なもんは死んでも守り切る``。これは誰が何と言おうと譲れない、俺の中の絶対的なルール。
かつて俺は初めてできた友を失った。そのときの、手から大事なものがこぼれ落ちてぶっ壊れ、もう元には戻らない失意を忘れたことはない。復讐を成してなお、そのときの感情は心の奥底に焼きついていて、忘れることを許さない。
御玲と金髪野郎。俺にとって大事なものはどちらか。言うまでもないし、考えるまでもなかった。
「御玲!!」
霊力をたどり、粉塵をくぐり抜けて御玲の元にようやく辿り着く。
たとえ目が見えなくても、俺が御玲を浮かせている以上、御玲の位置は霊感で分かる。というか俺は仲間の位置は、霊力切れを起こしていたり、妨害されていたりしない限り、五感が潰されていても把握可能だ。
そしてそれは、敵の位置だって同じ。
五感で分からなくても、霊感があれば大体の位置は分かる。相手が高速で動き回ってないのが条件だが。
「澄男さま! これは……?」
「金髪野郎の技だ。詳しくは知らん」
「なるほど。して彼は?」
「見捨てた」
「え?」
「腹ぶっ刺されて死にかけだったからな。もう戦力になりそうにないし、俺は回復とか使えねぇからさ」
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