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第四十九夜 東村康史
さて、百日百度の願掛けも四十九日目となりました。その半分の一歩手前にして、死者に裁きが下る節目の時で御座います。
少将の百夜通いとは異なり、浪漫の欠片もない夜ですが、少しばかり秋の気配が混じりつつある良い日和ですね。
次なる語り手は、これまた浪漫などとは縁のない中年男で、東村康史と言います。スクールバスの運転手をしておりますが、まあ下品な男でして。
……ひゃっひゃっひゃっ、愉快、愉快。
クソガキどもの送迎なんぞすっぽかして、続きを見てみたかったわい。御船の嬢ちゃんと加藤佳乃だったか、どっちも色っぽいええ女になるやろな。金で抱かせてくれんかいのう。
まあ、無理なんは知っとるけどな。
龍樹嬢は校長の孫娘やし、手ぇ出そうもんなら間違いなく首になるわ。ゴキブリでも見るような目でみてきよるしなあ。しかしのう、そんな目で見られるのすら快感や。オッさんのアブノーマルな性癖をなめたらあかん。ひゃっひゃっひゃっ。将来、だれぞと結婚するんやろな。あれは色っぽい人妻になるわ。
佳乃の方は、そうやな、ちょいと子供っぽいところもそそるわ。わいの守備範囲は広いでぇ。言うたら、穴さえあいとったらなんでもええんや。バックミラーで女学生を視姦するのだけが唯一の楽しみやからの。
後部座席に美女二人が並んで座ってくれて、万々歳や。しかも、なんや言い合いしとるで、視姦し放題やった。ひゃっひゃっひゃっ、愉快、愉快。
二人して外宮近くで降りたけど、もっと見とりたかったわい。柔らかそうな尻をプリプリ振ってからに。もうバスにも、わいだけになったで、ゆっくり見送らせてもらったわ。そらもう舐めるようによ。
ところが、そこで見てしもたんや。
龍樹嬢の背中と佳乃の背中と、どちらにも黒々とした影みたいなもんがへばりついておった。なんやろうと思って見ておったら、龍樹嬢が振り返って、歪んだ顔で何か言うと同時に、佳乃がトラックにはねられたんや。
あ、こらあかん、即死や。ええ女が一人消えた。もったいない。
と思っておったら、何事もなかったように起き上がってきた。だもんで、びっくりして腰を浮かしてしもたんや。ほんで、ブレーキから足を離してしもてな、そのまま街路樹にぶつかってしもた。やってもうたわ。
その後どうなったか? さあ、よう知らんけど、二人ともケガはなかったみたいやで。龍樹嬢がどっかへ行ってしもて見つからんとかいろいろ騒いどるみたいやけど、わいには関係ない。畜生! 事故やなんてついとらんわ。これで首にされへんやろな。
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