schwarz freund

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 そして、いつの間にか私の周りには人が集まるようになり、組の人気者となっていた。その頃には黒い少年との付き合いは激減していた。私が一人になる機会が減っていたからである。  その頃になると友達の中でも特に仲の良い「親友」と呼ぶに相応しい友達が生まれていた。名前は同じつばめ組のフジトくん。私はその子とよく遊ぶようになった。卒園式も間近になったある日のこと、私はフジトくんとドデカい遊具をどちらが早く駆け抜けるかの競争をしていた。ジャングルジムとすべり台と登り棒と雲梯を駆け抜けるといったものである。 私とフジトくんの運動神経はほぼ同等で雲梯をテナガザルのように素早く腕力のみで渡り、登り棒もリスザルのように素早く登る、ジャングルジムもオランウータンが木々を渡るように素早く登っていく。後はジャングルジムに繋がった滑り台を滑り降りるだけと言ったところで、私は久しぶりに黒い少年にぐいとズボンの裾を引っ張られた。 「なにするんだよ! 負けちゃうじゃないか!」 〈あいつ、なに? ともだち、ぼくだけじゃなかったの?〉 「いいから放してよ! ほら! フジトくんが先に滑り台についちゃうよ! 負けちゃうよ!」 〈……〉 黒い少年は私のズボンの裾を放した。一瞬、目を放した隙に黒い少年はフジトくんの足元へと行き、足を掴んでいた。それからのことはよく覚えていない。気がついた時にはフジトくんはジャングルジムの下で顔から血を流しながら倒れていた…… 私は慌ててジャングルジムから駆け下り、先生を呼びに行った。黒い少年はずっとジャングルジムの上で立っていた。全身が黒い陽炎のためにモヤモヤとしており、はっきりとは見えないが、顔の表情は笑っているように感じられた。 フジトくんはジャングルジムの足場に全身を打ち付けての骨折に加え、落下時の全身打撲により死亡してしまった…… 
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