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第2話
━幸が居る部屋━
「あなたが俺に会いたがっている人ですか?」
キス後、幸が問いかけると男が口を開いた。
「そうです」
「どうして俺なんですか?」
「あなたなら俺を救ってくれると思ったから、げんにあなたは俺を救ってくれた」
「……」
「虹色石を求めてこの国に来たんだけど、見たことないかな」
「見たことないですね」
「そうですか…」
「虹色石を見つけたらすぐにあなたに知らせますね」
「ありがとう」
「……」
幸が笑顔を見せると男は自分の名を口にした。
「晴也(せいや)です」
「……」
無言で幸が見つめると晴也が再び口を開いた。
「俺の名前です、あなたの名は?」
「幸です」
「幸さん」
「連れが車の中で待ってるから俺、帰りますね」
「幸さん、これを」
そう言って晴也は青い石の欠片を幸に渡した。
驚いた顔で幸が見つめると晴也が口を開いた。
「幸さんを危険から守ってくれます」
「ありがとうございます、大切にしますね」
そう言って幸は青い石の欠片を持って車の中で待つ3人の男の元に向かった。
そして幸は車が無いことに驚いた。
「ここに車を止めてたはずなのに」
「どうした」
「ここに車を止めてたのに無いんです」
「困ったな、人気のない知らない夜の道を歩くなんて」
「幸さんの家まで俺がお供します」
そう言って晴也は幸の手を握り口を開いた。
「行きましょうか」
「はい」
返事をすると幸と晴也は手を繋いだまま夜の道を歩き出し林を離れた。
その時、静な街中に黒いロング服に黒いマントを羽織った悪魔が黒い羽を羽ばたかせながら地面に降り立った。
「ここのどこかに虹色石があるはず」
そう言って悪魔はバケモノ達を生み出し命令した。
「どこかに虹色石があるはずだ、見つけ出し俺の前に持ってこい」
「わかりました」
返事をするとバケモノ達は夜の街中を散らばっていった。
その後、悪魔も夜の街中から消えていった。
その頃、幸と晴也は車が通らない道を歩いていた。
「いつ着くのかな」
歩き疲れた幸が小さな声で口にしたその時、晴也は幸をお姫様抱っこした。
「……」
驚いた顔で幸が見つめると晴也が口を開いた。
「幸さんが持っている青い石の欠片を通して幸さんの家に運ぶから寝てて良いですよ」
「重くないですか?」
「重くないですよ」
そう言って晴也が幸をお姫様抱っこしたまま青い羽を広げ宙に浮くと口を開いた。
「落ちないように捕まっててくださいね」
「あ、はい」
ドキドキしながら幸がしがみつくと晴也は青い羽を羽ばたかせながら飛び始めた。
それから時間が過ぎ暗い空が明るい空に変わった。
「朝…猫ちゃん達…大丈夫かな」
「少し急ぐから落ちないでよ」
そう言ってスピードをあげると5時間後、幸の家の前に着いた。
その後、晴也はゆっくり地面に降り立った幸を立たせた。
「ありがとうございました」
「それじゃあ」
そう言って再び飛ぼうとしたその時、ふらつき晴也は倒れた。
「晴也さん!」
慌てて幸は晴也を寝室に運びベッドに仰向けで寝かせた。
「俺を運んだから疲れが」
「にゃ~」
3匹の猫が現れると幸はゆっくり晴也を寝かせるため3匹の猫と共に寝室を出ていきリビングに向かった。
そして幸は3匹の猫に餌をやりその後、ソファーで眠りについた。
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