第3話

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土曜になり、僕は待ち合わせのカフェに着いた。 彼女は既に注文をすましていた。 手招きして僕を呼ぶ彼女の元へ、恐る恐る近寄る。 向かいの席を彼女が指さす。 「座って、天野くんも何か食べる?」 「いっ、いやいい。」 口早にそういう僕に そう、とだけ言った彼女はやけに、にこにこしていた。 不審に思っていると、彼女が頭を下げる。 「中3の時は本当にごめんね。」 突然の事で、どうしたらいいのかわからなかった僕は戸惑っていると、彼女が頭をあげる。 「この前も、あんな嫌な言い方をしないと、天野くん来てくれないと思ったから。」 そういう彼女はどこか焦っているように話す。 先程のニコニコは消えていた。 「狩野くんには、気をつけておいた方がいいよ。」 「?」 僕は何を言われているのかわからなかった。 彼女が続ける。 「それを今日は伝えたかったの。狩野くん、天野くんが学校来なくなって、けっこう荒れてたから。」 「りょうが、荒れた?」 僕は咄嗟に聞き返した。 なにかの聞き間違えだと思ったからだ。 でも、彼女は静かに頷いた。 「私の幼馴染、覚えてる?」 僕はその人物をはっきりと覚えていた。 彼女を庇って、僕の胸ぐらを掴んだ生徒だ。 僕が頷くのを見て、彼女はため息を着く。 「狩野くん、天野くんが学校に来なくなったのはお前のせいだーって、文字通り病院送りにしたの。」 「病院送り!?」 僕は咄嗟に口を抑える。 あの優しいりょうがそんなことをするとは到底考えられなかった。 彼女が注文したアイスココアが届き、それをストローでくるくると混ぜながら、話し続ける。 「それが問題になって、狩野くんは自宅での自主勉強が基本になったみたい。ほぼ学校に来なかったわね。」 僕は彼女の言葉にまた驚いた。 りょうは、学校に問題なく通い続けていると思っていた。 でも、実際のりょうは違った。 彼女がまた何か言おうと口をひらきかけた時、彼女の顔が一気に青ざめたのがわかった。 僕は、どうしたのかわからず、彼女は僕の斜め後ろをじっと見ていた。 僕もそちらに振り返ると、私服のりょうが立っていた。
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