第2話 親友探し

2/4
前へ
/14ページ
次へ
僕は話を変えようと、りょうに問いかける。 「その、本当に僕のこと好きになってくれたの?」 りょうは僕を真っ直ぐに見る。 「…うん、俺はあまのこと好きだよ。…今はもうあまじゃないのか。」 「ううん、あまって呼んで、前みたいに。僕もりょうって呼んでもいい?」 「…もちろん!」 「…でも、本当は罪滅ぼしで好きって言ってくれてるんじゃないか?りょうは優しいから。」 僕はりょうの表情を見ることが出来なかった。 気づいたときには、りょうの返答が耳をついた。 「…なにそれ。」 顔を上げると、りょうと目が合う。 その目は、どこか怒っているようだった。 「ごめん…」 咄嗟に謝った僕は、また余計なことを言ってしまったと、悲しくなった。 りょうのため息が聞こえる。 「逆に、俺のために今でも好きとか言ってくれてるんじゃねーの?」 「…!それは違う。今でもりょうのこと…」 りょうの方を見た瞬間、いつの間にか立ち上がっていたりょうに腕を引っ張られる。 「え!?りょう、どこに…」 「…」 黙って連れられたのは誰もいないようなトイレの裏だった。 戸惑っていると、掴まれた手をりょうが引き寄せ、僕にキスをした。 僕は一瞬何をされたのかわからずにいたが、理解した瞬間僕は声にならない悲鳴をあげた。 触れた唇を撫でる。 まだ熱が引かない。 まだ掴まれた腕をもう一度引き寄せられた。 また顔が近くなり、動揺していると、りょうが真剣な声で言う。 「これでも信じてくれないのか?あま。」 りょうの目を見た僕は首を横に振る。 「ごめん…信じる。」 「じゃあさ、俺と 恋人 になってくれる?」 僕は言葉を詰まらせた。 僕は自分に自信が無い。 本当に恋人になっていいのか、深く考えていると、りょうがいわゆる顎クイをしてきた。 「俺の目を見て、嫌ならちゃんと断って。」 僕はりょうの目を見て、また泣きそうになった、視界が霞んでいく中、僕は縛り出すように答える。 「なりたい、りょうと恋人になりたいよ。」 僕はりょうに抱きしめられながら溢れる涙を拭いた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加