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緊急事態
次の停留所で僕も降りた。彼女との会話に集中し過ぎていたのか黄銅色の光は僕には少々眩しかった。
その後停留所付近のアスファルトの坂道を歩いた。坂道を下りながら丸い円盤型のくぼみを見て、ドーナツを連想させられ不意と食欲を誘われる。ポケットに手を入れると案の定空だった。バスで完全に所持金を使い切ったようだ。
そこに突然と、黄銅色に輝いた奴はまたやってきた。アスファルトの坂が点々と無地の生地が水玉模様の生地に変わるように、変化していく。
「またか」あきれるほどに雨はやってくる。
持っている傘に無数の雨が降り注ぐ。まるで滝のように思えた。いっそ雨に打たれれば何もかもなかったかのように洗い流してくれるのかもしれないそんな気がした。おまけに今回は風も吹いている。
僕はゆっくりと坂を下っていく。傘が風に抵抗して今にも折れそうなほどに、しなっていた。
坂を下ったと同時に異音が聞こえ、咄嗟にあたりを見渡す、が変化はない。
その瞬間、僕の傘の骨が勢いよく折れ、まるで水を完全に吸った野菜かように力を失った。まさに緊急事態だった。次第に僕の体は雨に包まれる。急いで非難する場所を探すことになったことになった。
しかも家までは30分もあった。
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